ジャパニマフランス

フランス暮らしコミックエッセイと映画レビューがせめぎあっている

主人公の名前はトモオだってね【カルト映画・鉄男II BODY HAMMER】ネタバレ感想

f:id:mi_ro:20180913121252p:plain

主人公の名前は鉄男じゃなくてトモオ。じゃあ鉄男て誰?

トモオが鉄男に変身するんだよ

YOUもう 変身前の名前も鉄男で統一しちゃいなよ!

 

▼予告編です。若干酔いそうになるシーンがあるのでご注意ください。


『鉄男 II BODY HAMMER』予告編

 

海外でもカルト映画として人気の高い、塚本晋也監督の鉄男II THE BODY HAMMER。

 以下雑にネタバレしてます。

 

 

妻と息子とともに平穏な日々を送っていたトモオ。ある日何者かに息子が誘拐され、トモオ自身も犯人たちに捕まってしまう。

そこで体を武器化できる男ー鉄男になるべく実験台にされたトモオ。おなかからエイリアンみたいな粘っこい糸に絡まった銃が出てくる。

f:id:mi_ro:20180916232233p:plain

体が重火器化するってこういうのを想像するよね?

 

f:id:mi_ro:20180916232234p:plain

でも鉄男の世界ではこうなんだよ!かっこいいっていうよりなんか気持ち悪い。 


 

彼の息子を誘拐した男たちはビジュアル的に黒服のバブルガムブラザーズを想像してください。

f:id:mi_ro:20180907230541p:plain

バブルガムブラザーズ。



一時的に鉄男化したものの、元の体に戻ったトモオはなんかきったない布をかぶって逃げる。

途中で緑の公衆電話を見つけたトモオ、助けを呼ぶため電話しようとします。しかしブラザーズの狙撃によってコードが切れてしまったYO!ここはギャグパートなのかな?笑っていいのかどうかわからない雰囲気。

 

 

一連の犯行の首謀者は”やつ”と呼ばれる男でトモオの実弟だった。トモオと同じく体を銃火器に変形させることができます。

 

ただしトモオは全身を武器化させることができるのに対し、”やつ”は腕しか変化させられない。内なる「殺意の大きさが」が体の武器化に比例しているのだそうです。

 

▼鉄男を崇め奉る半裸の男たち。いろんな意味ですごい画です。

f:id:mi_ro:20180913121253p:plain

 

終盤で突如女性の乳が画面いっぱいに映し出される昭和的なサービスシーンがあるよ!

両親の営みを幼いトモオが目撃するんですが、行為中に父が誤って拳銃で母を撃ち殺してしまう。どっから持ってきたのその銃。

そしてその目撃体験が、トモオの内に眠っていた破壊行為を楽しむ人格を芽生えさせてしまうのです。

 

最終的にトモオは実弟を倒し、その体を戦車に変化させて、無機質な都会のビルを突き進みます。ボディに彼の弟と熱狂的な鉄男信者たちを取り込みながら・・。

 

▼すごい難解なんですけどコアなファンがいるのも頷ける映画です。田口トモロヲの不気味スマイルは一見の価値あり。

 

余談ですがなぜかトモオ役とシザーハンズ役は三上博史さんが演じていると思い込んでいました。

 

▼三上博史さん。

f:id:mi_ro:20180913121302p:plain

 

▼鉄男に変身するトモオ。

f:id:mi_ro:20180913121300p:plain

 

▼シザーハンズ。

f:id:mi_ro:20180913234741p:plain

  

すべてのグロ初心者に捧げる、極上のサイコサスペンス小説。「殺戮にいたる病」ネタバレ感想

サイコサスペンスの中に若干のグロが散りばめられた、我孫子武丸氏によるホラー小説のネタバレ感想。叙述トリックが仕掛けられた小説としても有名です。

グロは死体損壊描写のみで、拷問やスプラッタ的な描写はないのでご安心を。

f:id:mi_ro:20180906150904p:plain

 

 

以下雑にネタバレしてますが、先に本を読むことをお勧めします!

 

 

犯人の蒲生稔は推定40歳。助教授の職に就いており、同い年の妻と大学生の息子、中学生の娘、実母と共に暮らしている。これがトリックの真相です。

 

こう書いてしまうとどのへんが叙述トリックなんだ?と思うところですが、最初から最後まで、読者は蒲生稔が大学生の息子だと思って読み進めるのです。

 

ラスト一行で蒲生稔とは父親のことだと気づかされる。

衝撃のアハ体験を受けること間違いなしの小説なのです。

 

稔はいわゆるマザコンだった影響もあり、実母に似た女性を4人ほど殺害する。物語の終盤では実の息子と最愛の母まで手にかけます。実子以外の殺し方はいずれも、挿入後の絞殺からの屍姦。実母も絞殺&屍姦します。

 

死後の遺体の取り扱い方で歴代殺人鬼の変人レベルが伺えますが、この人の場合は膣壁が擦り切れるまでの屍姦(それをビデオ撮影)後、乳房や子宮など女性的部位をお持ち帰り→各部位が腐るまで家で自慰に使用

ですからね。

 

狂人レベルマックスです。世界の狂人図鑑にAO面接で入れるレベル。

 

▼さらに蒲生は犯行時必ず、岡本孝子の夢をあきらめないで を聞きながらの絞殺→屍姦に及ぶ。岡本孝子側から訴えられてもおかしくない。

www.youtube.com

 

ここまで蒲生稔の凄惨な行為を書いといてなんですが、この小説はグロ初心者でも大丈夫です。

微に入り細にわたる死体損壊描写はありますが、生身の人間を拷問するだとか、生きたまま解剖するなどの「うわあああぁぁアイタタタタ」みたいな文章はありません。

 

小説や映画において人体を破壊する描写がある場合、その人間がすでに死んでいるか、もしくはまだ生きており意識があるかでは、想像する側に求められるグロ耐性に違いがあると私は思う。

 

そういう意味でこの小説は、読破できるタイプのグロで留まっています。

 

あと個人的に「稔すげえ」ってなるのが、甘いマスクと物腰柔らかな雰囲気で殺害対象の女性と和姦に持っていくところでしょうか。

インテリかつ殺人に何かしらのポリシーを持っているところなんて「ミルウォーキーの殺人鬼」ことジェフリー・ダーマーを彷彿とさせます。

 

  

ダーマーの理想の恋人とは、「すっかりおとなしくなって、もう二度と自分のそばを離れていかない存在」だった。 

                    (ジェフリー・ダーマーとは NAVERまとめ)

 

これに通ずるものが蒲生稔にも垣間見える。「いい女は死んだ女だけ」というフレーズを思い出してクスクス笑う変態です。

 

絞殺後だらりと垂れた女性の舌が「?」のマークを作って、稔の殺人行為に全力で疑問を投げかけている、みたいなちょっと面白い文章があるんですが

 

この必死の訴えに対して稔は「愛してるから」殺すのだと笑顔で答える。

 

物語は稔、刑事、そして稔の妻、この三人の視点から進んでいきます。「殺戮にいたる病」に冒された稔の行動を、事件の真相とともに目撃してください。

 

 

 ▼読みやすい文章なのでグロ描写もそんなにきつくなく、さらっと読めます。

殺戮にいたる病 (講談社文庫)

殺戮にいたる病 (講談社文庫)

 

 

 ▼9人の作家によるホラー短編集。我孫子武丸氏の「猫恐怖症」はさらっと読める微グロでオススメ。個人的には草薙渉氏「白グラムのステーキほどの頬肉」が好みのカオス具合です。

白昼夢―ホラー・アンソロジー (集英社文庫)

白昼夢―ホラー・アンソロジー (集英社文庫)

 

 

 ▼未読ですが、読んでみたい一冊。

新装版 8の殺人 (講談社文庫)

新装版 8の殺人 (講談社文庫)

 

 

▼我孫子武丸と言えば"かまいたちの夜"。ゲームしか知りませんでしたが文庫も出てるんだね。

かまいたちの夜 挟み忘れた栞 (セガミステリー文庫)

かまいたちの夜 挟み忘れた栞 (セガミステリー文庫)

  • 作者: 我孫子武丸,我孫子武丸,セガ?チュンプロジェクト
  • 出版社/メーカー: 株式会社セガ 株式会社チュンソフト
  • 発売日: 2006
  • メディア: 文庫
  • この商品を含むブログを見る
 

 

友成純一氏のエログロスプラッター小説「獣儀式ー狂鬼降臨ー」ネタバレ感想

f:id:mi_ro:20180904112128p:plain

今回ご紹介する友成純一氏の小説「獣儀式 狂鬼降臨」は超エログロスプラッター小説です。

生きている人体の破壊描写、特にリョナと呼ばれるジャンルが苦手な方はご注意ください。これ系を一度は読んでおかないといけない、みたいな変な使命感に駆られている方は、目だけで読むことをオススメします。脳で読まなければ読了できますので頑張ってください。

 

 

以下雑なネタバレです。

 

 

プロローグ

ある日突然地獄の蓋が開き、地獄の極卒たちが地上にわらわら出てくる。律儀な彼らは地上でも地獄の仕事を続けた結果、街は死の世界と化す。

一人の女性が鬼に見つかり血祭りになる。両手と片足をもがれて、さらにお腹を踏み潰されるのでいろんなものが口や肛門から出てきます。この辺の描写がいちいち長い。

 

第1話 洋子

高校生の洋子は二人の男友達とともに、地下に隠れ鬼の魔の手から生きながらえていた。男友達らと毎日性交しているにも関わらず、洋子はさらなる刺激を求めている。

 

鬼に見つかった3人は、街路樹に団子状に串刺しにされている死体を目撃する。まずは男子の一人が串刺しにされる。この時何故か洋子は杭が口から飛び出ている男子の顔に自分の性器をこすりつける。鬼は意外と黙認してくれます。

 

もう一人は気が触れてはしゃぎだしたので鬼に殴り殺される。洋子も御多分に洩れず串刺しにされるがちょっと嬉しそう。今まさに杭が体を貫こうとしているのに、前からじゃなくてお尻からがいいと葛藤する洋子。そして笑いながら杭に貫かれる。性的欲求が満たされると同時に死亡。

 

 

 第2話 康治

 田舎に住む、いじめられっ子の康治。この世の全てを憎んでいて、生き物の死骸に異常な興味を持っている。彼は凄惨な地獄風景に勃起するような変態であるがゆえ生き延び、最後の方で屍肉を喰らいつつ屍姦する妖怪になる。

 

田舎に降臨した鬼達は学校を人間飼育施設として魔改造し、人間をブロイラーのように出荷して食べる。地上に降りたため食欲・性欲・睡眠欲の三大欲を得たらしい。

 

恐慌状態に陥った人間達によって少女が輪姦されたり、出荷予定の人々が人肉により肥え太らされたり、いろいろと酷い。

 

第3話 おれ

地獄の鬼たちに支配された東京で、鬼ごっこを始める若者たち。リアル鬼ごっこです。ただし見つかると頭を割られたり、内臓を取り出されたりと凄惨なお仕置きが待っている。

以前は山で暮らしていた"おれ"。友人の妹がカルトなやつらに子宮を取り出されて惨殺されたので街に出て鬼ごっこをすることになる。本当、なんでそうなった。”おれ”はこのあとなぜか鬼になります。

 

第4話 恐介

ある女性が餓鬼に膣内部を掻き乱されたり精液で下半身を溶かされたりしてしまう怖い。仲間の男は手足をもがれて自分の内臓を口に詰まらせている状態。この二人の友人である恐介、「二人を無限の苦しみから救いたい」という情け心から、二人を食べます。カオスとしか言いようのない話の流れですが、本当にこんな感じです。

 

第5話 卑弥呼

鬼の目を逃れた村があり、そこに君臨する卑弥呼という神通力を持った女性。異常な性欲と自己顕示欲があり、永田洋子ばりにカップルや女性を血祭りに上げていく。

「歯抜きの刑は、歯を抜いて終わりではない。抜いた歯を相手の頭頂部に卍の形に埋め込むのだ」って。まんじて。

 

卑弥呼は17歳の設定なのに「鬼に供物を捧げるのじゃ!」みたいな喋り方をするのも気になって話に集中できない。

 

全編通して「バタ狂う」っていう謎表現が出てくるんですけど、初めて聞いたわりになぜか想像できる。異様に怖面白い表現ですよね?

それから「血曼荼羅」っていう真面目なんだかウケ狙いなんだかわからない表現も頻出します。

 

 

最後の方で鬼たちが人間の死体でピラミッドを作ったり、人間たちの鬼に対する恨みの念が強大になって巨大な塊になって転がってきたりする。最終的に世界が灰色になってENDです。

 

▼興味があり且つすごく暇な時間がある人は読んでみてね!私は買ったことを後悔しつつあります。

獣儀式 (幻冬舎アウトロー文庫)

獣儀式 (幻冬舎アウトロー文庫)

 

 

サイコサスペンスの中の微グロ具合がちょうど良い作品。岡村孝子への熱い風評被害と叙述トリックを存分に楽しんでください。

殺戮にいたる病 (講談社文庫)

殺戮にいたる病 (講談社文庫)

 

 

エムグラム診断で自己承認欲求を満たそうぜ

先日何の気なしにエムグラム診断に関するブログを読んだら面白そうだったので早速やってみました。

 

▼メールアドレスを入力しないと診断結果が受け取れないんだよォー

m-gram.com

 

 細かい診断結果は有料になってましたが、無料で受け取れる情報もあります。

”私を構成する8性格””私を好きになる8の理由”さらに”8つの原石”です。

どんだけ自信ないんだ自分。

 

 

▼これが診断結果の一部です。

f:id:mi_ro:20180819183815p:plain

SNS更新が得意ではなく簡単にへこたれるためあまり頼りにされないのですが、この診断結果はどうしたらいいのでしょうか。

 

 

www.youtube.com

ちなみに「アタシ、へこたれへん!」も言ったことがないです。

 

 

 

 自己承認欲求について

 

自己承認欲求とは自分で自分を認めたいという欲求のこと。今の自分で満足かどうか、自分の基準で自分自身を判断する。

自己承認欲求が高いと、理想の自己に近づくために自分で自分を動機づけ、努力できる。しかし自己承認欲求が強すぎて満たされなくなると、それを補うために他者承認欲求が強くなりがちになる。

                      (docoic.com マナラボより一部抜粋)

   

 

診断結果を受け取った私はまさにこの「承認欲求の塊」と化していた。いち早く誰かに伝えたい!と思い、たまたま近くにいた夫に伝えました。

 

 「私の性格と同じ人って日本で1459人に一人らしいよ!しかも策士でアーティストって書いてあったし(レア感)!!」

 

夫:「・・・う、うん?(困惑)」

 

 

夫困ってた。ごめん。

私でも誰かがその人の性格診断とか深層心理結果を報告してきたら「・・で?」ってなる。

  

「私って天才肌なんだって!」とか

 

「私ってドライで有言実行の切れ者らしいよ。自分では実感ないけど、確かに友人にお前って合理的すぎとか言われるw」

 

とか報告されても知らんがなみたいな、自分で実感ない言うてめっちゃ喜んどるやんみたいな、てか友人て誰やねんみたいな気分になる。

 

というかそもそもドライで有言実行の切れ者だったら今とっくに富と名誉を手に入れてますよ。この”ドライで有言実行の切れ者”は私の診断結果なんですけどね。

 

たぶん当人にとっては大事な診断なんですけど、他人からしたらどうでもいい、まさに自己承認欲求を満たしたい時にうってつけの診断だと思いました。

みなさんも暇なときにやってみてください。7:3ぐらいの割合で嬉しいこととオブラートに包んだ短所を書いてくれます。 

 

 

▼どうしようこの本すごい気になる。星の数ほどいる人間を本当にたった9つのタイプに分けて良いのか?

人間は9タイプ 子どもとあなたの伸ばし方説明書

人間は9タイプ 子どもとあなたの伸ばし方説明書

 

 

 ▼エムグラムの次はエニアグラム。いつも本当の自分を探してます。

9つの性格 エニアグラムで見つかる「本当の自分」と最良の人間関係

9つの性格 エニアグラムで見つかる「本当の自分」と最良の人間関係

 

 

 

ホラー小説「ぼぎわんが、来る」ネタバレ感想

ぼぎわんというコミュ力高い怪物が忘れた頃にある家族を訪問してくるお話です。

※途中から女霊媒師VS怪物みたいな、ラノベっぽいノリになる。

 

f:id:mi_ro:20180826153219p:plain



▼以下は登場人物紹介という名のネタバレです。先に原作を読んでね!

 

 

【登場人物紹介】

田原 秀樹(35)・・・第1章の主人公。小学生の頃、祖父母の家で留守番をしている時にぼぎわんの訪問に遭う。恐怖の記憶も忘れかけた頃、勤め先でぼぎわんに再訪問される。最終的にぼぎわんに家の侵入を許し、頭と顔を食われて絶命。

 

秀樹の妻・香奈(32)・・・第二章の主人公。スーパーでパートしていたが出産を機に辞める。いいパパぶりっこで何の役にも立たない秀樹に嫌気がさしていたので、秀樹の死に清々しささえ感じる。第二章の最後でぼぎわんに最愛の娘を目の前で奪われ、気が触れて精神病院に収容される

 

田原夫妻の娘・知紗(2)・・・人見知りの2歳児。ぼぎわんに連れ去られたり、浮遊霊に体を乗っ取られたりする。第三章で琴子と野崎により救出されるが、新生ぼぎわんになる素質があったようで多分最後の方でぼぎわんになったっぽい。

 

秀樹の祖父・銀次・・・ぼぎわんが幼い秀樹に接触を試みた際、寝たきりの状態ながら追い返した。若い頃に志津との子供を虐待死させた過去があり、長年恨みを募らせた志津によって呪いを受け、衰弱死した。

 

田原の祖母・志津・・・ちゃきちゃきした元気な年寄りで銀次の介護も積極的に行っていたが、その実子供を二人も死なせた銀次を長年呪っていた。ぼぎわんを呼び寄せた張本人。

 

唐草(35)・・・秀樹の幼馴染で独身の民俗学者。快活で真面目な顔とは裏腹に子供を持つ家族に強い嫌悪感を抱いている。秀樹の死後は香奈との急接近を試みるも拒否され、逆恨みしてぼぎわんの侵入をほう助する。自分的にはこの人が秀樹の次にいキモい。この人の闇に比べたらぼぎわんとかまだ可愛い方です。

 

 

比嘉 真琴(26)・・・女性霊能者でフリーター。髪をピンクに染めている。少し変わり者だが純粋で、子供好き。ぼぎわんから知紗を守りたいと思っている。実は子どもが産めない体で、そのこともあって知紗に思い入れしている。

 

野崎(32)・・・第三章の主人公にして敏腕オカルトライターで真琴の恋人。無精子症で子どもを設けられないことにコンプレックスを感じていたが、ぼぎわんとの対決を通してそんな自分自身をも受け入れられるようになる。

 

比嘉 琴子(30代)・・・最強の女性霊能力者で真琴の姉。この人が第三章で登場してから一気にラノベっぽくなる。警視総監と直につながりがあるほどの実力者で、第三章から野崎と組み、ぼぎわんを迎え討つ。(雑魚霊たちが彼女の名を聞くだけで恐れ逃げていく描写は完全にギャグです。)

 

逢坂(50代)・・・強い力を持つ霊能力者だが、ぼぎわんと対決して惨敗。右腕をもぎ取られ死亡する。

 

高梨・・・秀樹の同僚。ぼぎわんと会話をしてしまい、腕を噛まれた挙句衰弱死する。

 

 

ぼぎわん・・・強力な化け物で、並の霊能者では歯が立たない。ぼぎわんの名は、ブギメやブギーマンなどから派生したと言われている。おやまと呼ばれる異界に住み、人を呪う感情を感知すると家にやってきて子供をさらう。

長い髪に灰色のシルエットを持ち、巨大な口には無数の歯が並んでいる。これに噛まれると致命傷でなくとも傷口から障気が入り込み、やがて死に至らしめる。

 

 

【雑なあらすじと結末】

最後の方で琴子(女性霊能力者)とぼぎわんが対決するんですが、肉弾戦になって琴子がぼぎわんを滅します。

 

というかぼぎわんは怖くないんですよ。怖いのは実の子ども2人を死なせたにも関わらず裁かれることもなくのうのうと生きてきた祖父や、風俗に通い会社で女性社員を食い散らかしつつも良いパパぶる秀樹です。

 

作者の澤村氏は、気持ち悪い人の描写を描くのがうまい印象でした。わかりやすくおかしい人じゃなくて、よく行動を観察してたらあれ?なんかキモくね?みたいな人。

善良な市民の皮を被ったモラハラ野郎の気持ち悪い行動を書くのが上手い。 

 

とくに第一章は秀樹目線でぼぎわんの怪異が語られるため、”家族を守るために戦ったパパがぼぎわんに殺害される” という恐ろしさのみが残る。

 

それが第二章の妻視点になって初めて、秀樹の非常識さやキモさ、正直子どもにとって害になるモラハラ行動などが見えてきます。

 

さらにこの「別の人間から見た全く異なる人物像」が、秀樹や野崎など各章の主人公においてだけではなく、幼馴染の唐草や霊能者の真琴、優しかった祖母など他のキャラクターにも現れてくるのです。

 

最初は全く謎の、ただ怪異としか言いようのなかったぼぎわんまで、最終的になんかかわいそうな化け物というイメージに変化しますからね。

 

ぼぎわんは普通に人語を操るし何ならスマホに電話もかけてきます。尊敬語や謙譲語もマスターしていて最後にあっとサプライズしたりするお茶目な一面もある。化け物って文明の利器とか疎そう、というか喋らなさそうという思い込みをぶっ壊します。

  

ちなみに何の目安にもなりませんが、私的怖い度は「夜中にシャンプーはためらわれるけどお風呂には入れる程度」です。

 

▼夏の終わりに怖い本でも読んで(一人で)盛り上がろう!と思って買いましたが、正直図書館で借りられるなら買わなくていいです。

ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)

ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)

 

 

▼私的怖い度はこちらの小説の方が上回ります。風呂もトイレも無理レベル。

怪奇小説傑作集 1 英米編 1 [新版] (創元推理文庫)

怪奇小説傑作集 1 英米編 1 [新版] (創元推理文庫)

  • 作者: アルジャーノン・ブラックウッド,ブルワー・リットン,ヘンリー・ジェイムズ,M・R・ジェイムズ,W・W・ジェイコブズ,アーサー・マッケン,E・F・ベンスン,W・F・ハーヴィー,J・S・レ・ファニュ,平井呈一
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2006/01/31
  • メディア: 文庫
  • 購入: 7人 クリック: 140回
  • この商品を含むブログ (40件) を見る