japanimafrance ジャパニマフランス

フランス暮らしコミックエッセイと映画レビューがせめぎあっている

伝承ホラーかと思いきやまさかの!?【ホラー小説・右園死児報告(うぞのしにこほうこく)】 ネタバレ感想

こんにちは。久しぶりの投稿です、フランスで生活しているミロです。

 

今回は、小説投稿サイト「カクヨム」発祥のホラーバトル小説『右園死児報告』(うぞのしにこほうこく)の軽いネタバレ感想記事です。

著者は真島文吉氏。

kakuyomu.jp

 

物語の前半では、明治時代頃から現代に至るまでの「右園死児 うぞのしにこ」に関する複数の報告書が紹介されます。

 

例えば:

ある地名が何者かによって「右園死児」に書き換えられており、その地はすでに右園死児化していた。追って町全体を焼却処分した

複数人が右園死児化していたため、ブラインドマン部隊が出動し、射 サツおよび焼却を実行。

 

といった不気味な報告の羅列が続きます。

 

正体不明ながら致命的な存在である「右園死児」に関する膨大な報告を読み進めていく中で、「このまま最後まで報告が続くのかな……?」と思った頃、物語が大きく動き始める。

最終的には、80~90年代に流行したモンスター・ゴア系OVAを彷彿とさせるラストへと向かうのですが、その変化が非常に鮮やか。

違和感なく、ノンストップで一気に読破できます。

 

その理由のひとつは、間違いなく登場人物たちの圧倒的な魅力にあると思う。

不死身の神谷修二、冷徹な田島茜、不特定一般人による「金輪部隊 コンリンブタイ」、謎の存在「エツランシャ」などなど、キャラクター性の際立った登場人物たちが次々と活躍し、前半とは全く異なる展開を見せるのです。

 

当初は私の大好物であるモキュメンタリー伝承ホラーだったのですが、後半では完全にSFモンスターホラーへと変貌した本作品。

その圧倒的な熱量と読ませる文章力のおかげで、最後まで飽きることなく楽しめます。

 

ただ、単話ホラーのエピソードが最後に一つにまとまる、芦花公園氏の「ほねがらみ」や、背筋氏の「近畿地方のある場所について」的なラストを期待している人にとっては、肩透かし感があるかもしれません。

なんせ中盤で妖獣都市にシフトチェンジしてしまう作品なので・・。

雑に【完】

 

【↓ ものすごい読みやすいのでオススメ!2024年最後の読書にいかがでしょうか。】

【↓ この時代のOVAって魅力的だよね・・。作り手が好き勝手に作ってる感じが。】

【↓ 楽天koboとkinndle並行して使ってますが、使い勝手良いです。】