2015/ 日本 / 113分
監督: 河瀬直美
音楽: デイビット・ハジャジ
原作:ドリアン助川
出演者:樹木希林/ 永瀬正敏/ 内田伽羅/ 市川悦子/ 浅田美代子/ 水野美紀
【あらすじ】
小さなどら焼き店「どら春」の店長・千太郎。借金返済のため仕方なく働いている彼は、絶品の粒あんを作る謎の老女・徳子に出会う。彼女との交流を通して、千太郎の中でどら焼き作りに対する意識が変わり始める。
【予告編】
あん - 映画予告編 [ 主題歌は秦 基博♪「水彩の月」 ]
【雑なネタバレ感想です。どら焼き片手に観ると二倍楽しめます。】
桜の舞い散る季節。どら焼き店「どら春」店長の千太郎(永瀬正敏)は、毎日虚しい気分のままどら焼きを焼いています。本筋と関係ないけどどら焼き店に出入りする中学生が可愛い。ワカナ(内田伽羅)もその一人です。
そこへ一人の老女・徳子(樹木希林)がアルバイトとして働かせてほしいとやってきます。76歳だという彼女の申し出にえっ・・・ってなる千太郎ですが、徳子の作った絶品粒あんを食べて驚く。是非粒あん作りを手伝って欲しいと頼みます。
物語前半はひたすらどら焼き作りです。へ〜あん作りって手間暇かかるんだなあと作る工程に感心してしまう。余談ですが私おぜんざいが大好きなんすよ。市販のあずき缶でよく作ってたんですけど、ある日豆を炊く段階から作ってみたらめっちゃ美味い。うますぎてちょっと涙出ました。
【↑映画を観る前にどら焼きのスタンバイをお忘れなく!】
徳江の絶品粒あんのおかげでどら春は大繁盛。徳江の人柄の良さから、千太郎もだんだん表情が明るくなってきます。
しかしどら焼き店のオーナー夫人が、徳江に関する不審な噂を耳にしたことから状況は一変。彼女がハンセン病患者であるといい、店を潰すのが嫌なら彼女を追い出せというのです。
千太郎にも暗い過去がありました。三年前喧嘩で人にけがを負わせ、その慰謝料支払いのためどら焼き店で働いているのでした。
噂はいつしか広まり、店は客足が途絶えます。その責任を感じて徳江は自ら身を引き、元ハンセン病患者らが暮らす森の中へ姿を消します。
この辺りからあんまりどら焼きの出番がなくなり、物語の進行がポエムっぽくなってくる。木々に、自然にありがとう。生きていることにありがとう。
姿を消した徳江を探し、ハンセン病患者の施設へやってきた千太郎とワカナ。このワカナ役の内田伽羅さんが、樹木希林さんの実のお孫さんなんですよね。
【↑このお方が内田伽羅さんです。】
やっと徳江に会えた千太郎は、彼女の元ハンセン病患者としての辛い過去を聞きます。徳子に何もしてやれなかった自分が悔しくて、涙する千太郎。
時を同じくして、千太郎はオーナー夫人の命によりお好み焼き屋とどら焼き屋を兼業しなあかんことになる。どんなコラボレーションやねんと悩む千太郎でしたが、徳江が亡くなったことにより、ようやく”自分らしい生き方”を見つめ直すのです。
最後のシーンでは、店舗のない道端で生き生きと「どら焼きいかがっすかあ〜」と声を張ってどら焼きを売る千太郎の姿が・・。
普通に生きるということは何か。いろいろなものや出会いに感謝することの大切さを教えてくれる作品です。
【↑大げさでない人間ドラマが観たい方にオススメ。食べ物✖️映画のコラボが絶妙です。】
【↑手に持ってるし。どら焼き屋のステマかと疑うほど食欲が増します。】