監督:三池崇史
脚本:武知鎮典
製作:高野秀夫/ 波多野保弘/ 伊藤秀裕
出演者:中山一也/ 桃井かおり/ 松田龍平/ 松方弘樹/石橋蓮司/ 片岡鶴太郎 /ビートたけし/内田裕也/ 緒形拳/ 原田芳雄/ 篠田三郎 /勝野洋 / 大滝秀治/ 山本太郎/ 遠藤憲一/ 寺島進/ 及川光博/ 長門裕之/ 樹木希林/ 原田大二郎 /曽根晴美/ 岡田眞澄
2004年/ 128分/ 日本
【あらすじ】
幕末の人斬り・岡田以蔵をモデルにした三池崇史監督の実験的歴史スペクタクル。以蔵が時間を超越し、さつ戮を繰り広げる様を描く。
知る人ぞ知る中山一也氏とムダに凄い出演陣の数々。一人一人が主役級の役者さんたちは主人公・以蔵の横を通り過ぎていく風に過ぎません。
【予告編】
【以下「izo-以蔵-」のネタバレ感想です。先に映画を観てから読んだ方が面白いよ!】
冒頭の30秒からなんだこれ状態に入りまして、その後中山一也氏ふんする岡田以蔵が処刑されます。
以蔵が苦悶の声をあげて事切れた・・と思いきや、友川カズキ氏のエネルギッシュな弾き語りがはさまる。(若さ!って歌詞は聞き取れました)
普通に生き返った以蔵、壱番の侍(石橋蓮司)を切り、電子ボイスで喋る弐番の侍(なぜか時折関西弁の内田裕也)をなぎ倒していきます。
内田さんに至っては以蔵に切られたあと荷車に乗って後ろの方へフェードアウトしていきます。
(このときまた弾き語りが入るんですが、口惜しき・・しか聞き取れなかった)
以蔵の子どもを宿して死んだ女郎は「あそこがくさい」という非情な理由で捨てられ、お坊さんは以蔵におしっこかけられ、偉い僧侶は軽く突きコロされます。
こんな感じで以蔵が突き進むあいだ、委員会では殿下(松田龍平)はじめ宰相(ビートたけし)や将軍(片岡鶴太郎)が以蔵について議論していました。
殿下お付きの少女が「威三こそ、忌まわしき無意味」と発言するんですがいまわしきむいみて・・・・なんかすごい言葉やな。
【↓神々しい殿下。肩の蛇はたぶんホンモノです。】
迷い込んだ洞窟の中で営業中のサラリーマンに襲われるも危機を脱し、実の母を横半分に斬りコロしながら過去へ飛んだ以蔵。
その間、茶室の老人が「すべての以蔵は不完全故に発生するものであるが、完全なる以蔵は内に生じた以蔵を吐き出し、見合うべき不条理を生み出す」とのたまう。
要は完全から滴り落ちる不完全こそ存在の本質らしいです。
どうしよう何回復唱しても意味がわからない。
その後も以蔵は他人の結婚式を血に染め、小学校で保護者のお母さんたちをコロしまくり、果てしなく救われない存在になります。
途中で入る弾き語りがなんか癒される存在になってくる不思議・・。
(神に見放されるので、あるッ!!は聞き取れました。)
幕末の長屋に突如SATが現れるシーンはかっこよかった。
すごい違和感なんですけど不思議と映画の雰囲気に合ってます。
そして背後霊のように以蔵に付いてまわる亡き妻(桃井かおり)。これまで最悪なループにいた以蔵ですが、亡き妻との穏やかな日々に救われます。
その後現代に飛んだ以蔵はサラリーマンを切りまくり、武蔵(緒形拳)に切られるも再び甦ります。(しかも2度目)
その間、桃井かおりはオフィスで仕事しています。
【↓現代によみがえった以蔵と亡き妻。すごい違和感。】
再び幕末に返り咲いた不死身の以蔵、城に侵入し門衛の怪物(ボブサップ)を倒して進みます。
ボブサップが以蔵に切られて礼を言うシーンが泣ける。
まさかこの映画で感動する時が来るなんて。
日本兵のゾンビ集団と将軍を倒し、ついに委員会に乗り込んだ以蔵。
宰相(ビートたけし)に
「お前何が目的だ?」と問われ・・
弾き語りの友川カズキさんが「天誅」と答えて、それに呼応するように以蔵が宰相をバッサリ切り倒します。
このあと以蔵は師匠の半平太をも斬りコロし、やっと殿下のもとへたどり着く。しかし健闘むなしく、圧倒的なパワーを持つ殿下のひと吹きで深い闇へ落ちてしまいます。
でも夕暮れには誰でも鳥の一羽になって、ひとつの空を自分のものにできるそうなのでまあよかった。
ラストは殿下に吹き飛ばされた以蔵が桃井かおりの股間から生まれ出てめでたしめでたし!
(しかも輪廻転生で生まれ変わった赤子とかじゃなく、ふつうに成人した状態の以蔵で生まれました)
実は映画の途中で操作を間違って映画の序盤に飛んじゃったんですけど、しばらく気づかないほど前後のつながりに違和感ありませんでした。
【↓すごい支離滅裂なレビューで申し訳ないですが実際そういう映画です。】
【↓こちらは勝新の真面目な以蔵。(中山一也版も大真面目な映画なんですけどね)】
【敵陣の中マントを翻しながら鬼のように戦う以蔵を見て、映画「あずみ」を思い出しました。上戸彩さんと中山一也さんがシンクロする日がくるなんて。】