HORROR EYES : 怖い映画と怖い小説レビュー

ホラー映画、ホラー小説レビューがメイン。時々フランス生活も綴っています。

【邪教、大量死、洗脳・・】澤村伊智『邪教の子』ネタバレ感想

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澤村伊智さんのホラー小説、邪教の子のネタバレと感想です。

がっつりネタバレしているので、まだ本作を読んでいない方は先に小説を読んでね!

 

 

まず、この本は前半と後半で主人公が変わるので、全く別の小説を読んでいるような衝撃を味わえます。

 

澤村伊智さんと言えば、デビュー作『ぼぎわんが、来る』(映画『来る』原作)でも、「章ごとの語り手の交代」によって、登場人物像が全く変わってしまう手法が取られていました。

 


【▼ 本気で怖い小説「ぼぎわんが、来る。」ネタバレ感想はコチラ。】www.japanimafrance.com


【ざっくり解説!邪教の子 目次】


前半:少女が街を救うために奔走する!「ジュブナイル・アドベンチャー」

物語の前半は、完全に少年少女の冒険譚なんですよ。

凄惨な死とか、血と内臓飛び散る事件現場とかは皆無なので、なんだこのさわやか3組は?ってなります。

 

新興宗教「大地の民」の元代表、ケイトが、自身の子供時代を回想する形で話が進みます。街に蔓延(はびこ)る邪悪な宗教団体・コスモフィールドから、可哀想な少女・あかねを救い出すため、大人たちの力を借りて立ち向かうケイトと、クラスメイトの祐仁。

 

ここでは「大地の民」は正義の味方として描かれます。


【▼ 自身が3組の時に見るさわやか3組は特別感ありましたよね・・。】

www.youtube.com

 

後半:アウトローな視点が暴く「狂気」の”大地の民”

後半は、教団を取材するTVディレクター・矢口の視点に切り替わります。

完全にモデルは街録(がいろく)なんだけど、矢口の潜入取材によって「大地の民」の実態が暴かれていく。


ここで澤村作品の真骨頂が発揮されます。

  • 前半で「いい人」だった”大地の民”の人々が、後半で視点が変わると途端に胡散臭くなる。
  • 脱退者が精神を病んだり、異様に老化するよ〜怖いよ〜。
  • あかね歳とらなさすぎ問題。

前半で、ケイトと共にあかねを救出した祐仁ですが、読者はずっと彼がケイトのクラスメイト(同い年ぐらい)だと思うようにミスリードされるんですよ。
しかし、実はケイトのお父さんだという事実が発覚します。
 
”大地の民”に入信した家族は、全員が同級生になるからなのだそうです。
 
物語の終盤、教団が崇める「大地の力」の正体が「ボツリヌス菌」であったことが明かされます。 敵対組織のコスモフィールドを壊滅させたのも、あかねの肌を若返らせたのも、すべては土壌に潜む菌によるもの。


タイトル回収:『邪教の子』とは、一体誰を指す?

教団を大きくした少女・ケイトか?

教団に助けられたあかねか?

それとも、教団によって家族を失った矢口か?

 

ラストは矢口が黒幕(あかね)の大量殺戮計画を台無しにして終了します。

澤村作品の「予言の島」でもそうですけど、たまに力ずくなトリックが発動するよね。【完】

 

【▼ とは言え読ませる力はすごい。一気読みしてしまう面白さです。】

【▼ 予言の島、なんか思ってたんと違う感じでしたが、面白かったです。】