澤村伊智さんのホラー小説、邪教の子のネタバレと感想です。
がっつりネタバレしているので、まだ本作を読んでいない方は先に小説を読んでね!

まず、この本は前半と後半で主人公が変わるので、全く別の小説を読んでいるような衝撃を味わえます。
澤村伊智さんと言えば、デビュー作『ぼぎわんが、来る』(映画『来る』原作)でも、「章ごとの語り手の交代」によって、登場人物像が全く変わってしまう手法が取られていました。
【▼ 本気で怖い小説「ぼぎわんが、来る。」ネタバレ感想はコチラ。】www.japanimafrance.com
【ざっくり解説!邪教の子 目次】
前半:少女が街を救うために奔走する!「ジュブナイル・アドベンチャー」
物語の前半は、完全に少年少女の冒険譚なんですよ。
凄惨な死とか、血と内臓飛び散る事件現場とかは皆無なので、なんだこのさわやか3組は?ってなります。
新興宗教「大地の民」の元代表、ケイトが、自身の子供時代を回想する形で話が進みます。街に蔓延(はびこ)る邪悪な宗教団体・コスモフィールドから、可哀想な少女・あかねを救い出すため、大人たちの力を借りて立ち向かうケイトと、クラスメイトの祐仁。
ここでは「大地の民」は正義の味方として描かれます。
【▼ 自身が3組の時に見るさわやか3組は特別感ありましたよね・・。】
後半:アウトローな視点が暴く「狂気」の”大地の民”
後半は、教団を取材するTVディレクター・矢口の視点に切り替わります。
完全にモデルは街録(がいろく)なんだけど、矢口の潜入取材によって「大地の民」の実態が暴かれていく。
ここで澤村作品の真骨頂が発揮されます。
- 前半で「いい人」だった”大地の民”の人々が、後半で視点が変わると途端に胡散臭くなる。
- 脱退者が精神を病んだり、異様に老化するよ〜怖いよ〜。
- あかね歳とらなさすぎ問題。
前半で、ケイトと共にあかねを救出した祐仁ですが、読者はずっと彼がケイトのクラスメイト(同い年ぐらい)だと思うようにミスリードされるんですよ。
タイトル回収:『邪教の子』とは、一体誰を指す?
教団を大きくした少女・ケイトか?
教団に助けられたあかねか?
それとも、教団によって家族を失った矢口か?
ラストは矢口が黒幕(あかね)の大量殺戮計画を台無しにして終了します。
澤村作品の「予言の島」でもそうですけど、たまに力ずくなトリックが発動するよね。【完】
【▼ とは言え読ませる力はすごい。一気読みしてしまう面白さです。】
【▼ 予言の島、なんか思ってたんと違う感じでしたが、面白かったです。】

