2020年/ 日本映画
監督/ 大森立嗣
脚本/ 大森立嗣, 港岳彦
制作/ 佐藤順子
音楽/ 岩代太郎
出演者/ 長澤まさみ, 奥平大兼, 夏帆, 皆川猿時, 阿部サダヲ 他
【あらすじ 】
実際に起きた川口高齢夫婦殺害事件に着想を得たヒューマンドラマ。PG12指定。
シングルマザーの秋子は、息子の周平とともにその日暮らしを続けていた。男たちと行きずりの関係を持ちながら、その一方で周平に異常な執着を持つ秋子。学校にも通わせず、二人は世間から孤立していく。
まともな社会生活を送れない秋子に寄り添いながらも、周平は周囲の支援を得てフリースクールに通い始めるが・・。
歪なものへと変化した母子の関係が引き起こした事件の真相とは。
【予告編】
絶対胸糞映画だろうなーと思って見たらやっぱり胸糞だったあぁぁぁおえ
今回ご紹介するのは実際に起きた事件をベースにした映画・MOTHER(マザー)です。
主人公の少年を取り巻く身勝手な人間たち(とりわけ母親)のせいで猛烈に腹たってくる映画なので注意。
【↓以下は雑なネタバレ感想です。映画を観てから読んでね!】
映画の冒頭。長澤まさみ演じるシングルマザー・秋子が、小学生の息子・周平の膝のキズを舌でベローンと舐めるシーンが猛烈に気持ち悪いです。
一目で「うわっ変な人だ!」ってわかる。
【▼少年の膝小僧ぺローンは個人的にかなり気持ち悪いシーンです。】
この母が
・キレやすい
・働く気がない
・子どもを一週間ぐらい放置して帰ってこない
という三拍子揃った毒な要素に加え、
自分の子どもに異常な執着があるという他人が介入できない系の要素が加わった超猛毒親なのです。
秋子は周平を完全に自分の所有物だと思っているので、絶対に手放そうとしません。
勉強している周平を嘲笑い、あんたは臭いからモテないと言い放ち、ついでに夏帆をブス呼びし、徹底的に息子の自尊心を潰していきます。
【▼ブス呼びされる夏帆。いろいろと看過できないことが起こる映画です。】
画像はyoutubeからお借りしています。
そしていろんな部分がゆるい秋子は会う男すべてに色目を使って性行為に持ち込みます。
しかし男たちも馬鹿ではないので、そこまで美味しい思いはさせてくれません。
関係を持った男たちに堕胎させられたり外で寝かせられたりひどい扱いを受ける秋子ですが、行動は全く改善されません。
また周平も周平で、毒母の要求(金を借りてこい、働いた金は全てよこせ、祖父母を殺して金を奪え)にはNOと言えない。
それほどまでに深い呪縛を生み出す母の愛憎が恐ろしくなります。
ラストシーンで罪を犯した周平が弁護士に「君とお母さんは共依存状態だ」と指摘されるシーンがあるんですけど、
周平は「僕お母さん好きなんですよ。なにが悪いんですか」的なことをイノセンスな雰囲気でのたまう。
私はこのシーンでめっちゃ腹立った。
母への愛と殺人をイコールする周平にも、母に依存するしかなかった周平を修羅の道に引き込んだ秋子にも。
超猛毒母役を演じたのは、長澤まさみさん。そのへんにいそうなやさぐれた排他的なヤンキー臭のする美人母をみごとに演じています。
周平役の奥平大兼さんは映画初主演とは思えない堂々とした演技でした。特に付けない方がマシレベルの不自然なエクステが妙にリアルで、絶妙な貧困感をかもしだしています。
いい意味で本当にそのへんにいそうな男子です。
あと、自分的にこの作品の中で唯一この役者さんじゃない感があったのは阿部サダヲさんです。
秋子の情夫役なんですけど、リアルではこういう母親の相手は半グレとか手に負えないキチ○イ系が多いと思う。
阿部サダヲさんはどうしようもないクソ野郎の演技は最高なんですけど、生物的に危険信号を感じる怖さではなかったです。
ピエール瀧さんとかだとモロに感じます(褒めてます)。
【▼観賞後、胸糞なことは大前提として私に限ってですが、すごい落ち込んでる時に見るとかえって生きようとする意欲が湧くと言う謎現象がおきました。】
【▼ マザーで検索するとなぜか出てきたエコバッグ。ミニオンズ可愛いやんけ・・。】