イヤミス小説とは、「イヤな気持ちになるミステリー小説」の略なんだってね。
【▼ 以下は真梨幸子氏著書、「殺人鬼フジコの衝動」の雑なネタバレと感想です。未読の方は気をつけてね!】

とにかく読み進めるのが苦痛になる小説です。
登場人物が全員クソすぎて、誰一人として共感できないんだよ。
テンポが良いのは救いですが、最初から最後まで、どこまでも浅はかで自分勝手な人間たちの顛末が描かれているので、読み終わる頃にはどっと疲れています。
主人公のフジコがとにかくアホの子というか、浅ましい人間なんだよね。
フジコは被虐待児なんだけど、自らも子供を虐待死させるクソ野郎に成長します。
しかもこれ、フジコだけではなくほぼ全ての登場人物が邪悪なので、読んでいて心が休まらないんよ。
作者は登場人物に無理やり邪悪要素を入れているような気もしてくる。
例えば、フジコの親友である杏奈がフジコの彼氏と関係を持ってしまうのですが、小説の流れで必要だとしても、そこに至るまでのプロセスが不自然なんですよ。
杏奈めっちゃ良い子なのに、なんでそこで過ちを犯す?みたいなね。
そしてさっきも書きましたが、そもそも主人公のフジコが邪悪すぎる。
辛い境遇から抜け出したと思ったら、いきなり大人を馬鹿にしたり、誰かを手玉に取ろうとします。
【▼ 以下に主人公フジコに感情移入できないどころか怒りが湧く描写を羅列しました。】
その1:フジコがとにかくキレ散らかす
物語の中に入り込めない一因として、フジコがとにかくキレ散らかすことが挙げられます。
ほとんどの登場人物と喧嘩しまくっていると思ったら突如、大人を手玉に取る優等生キャラを発症するので、性格が安定しない。
その2:フジコが転落しまくる。
人生うまくいかなくなることは山ほどありますが、この主人公は好転したのち盛大に転落を何度も繰り返します。
その3:ブサイク設定なのに整形で絶世の美女と化す。
昨今では、顔面課金で美女になる人は元からパーツが整っている説ありますよね。
フジコがヒモ男に性処理要員扱いされている理由として、「汚肌で顔が大きく、ブサイクだから」という描写があるのですが、
次の章では突如として整形美女になり、夜の世界で成功して、実業家に見染められます。
2008年の小説なので、整形イコール速攻で美女化 というイメージが当時はあったのだろうか。
その4:虐待サバイバーなのに実子を虐待死させるフジコ。
先ほども書きましたが、よくこんな話書いたなって怒りが湧いてきます。幼児を惨たらしく虐殺する描写があるので、読む際には注意が必要です。
この小説は最終章に叙述トリックが仕込まれているのですが、それもフジコが生涯で重ねた悪行に比べるとインパクトが弱めです。
この小説の叙述トリックを種明かしすると、第一章のみフジコの娘の物語、それ以降はフジコ自身の物語になることです。
読者は第一章から一貫して、フジコ自身の物語だと思って読み進めるのです。
さらに、殺人を重ねたフジコの影に隠れて、黒幕はフジコの叔母とフジコの同級生の母だった・・という衝撃のラストが待っています。
フジコの家族を惨殺し、長年に渡ってフジコに暗示をかけ、最終的に殺人鬼に仕上げたのは、フジコをいつも心配して寄り添っていた叔母でした。
【雑に完】
【▼ あんまりお勧めしないけど、テンポよく読めるのでお時間がある方はどうぞ!】
【▼ シリーズになっています。】


