サイコサスペンスの中に若干のグロが散りばめられた、我孫子武丸氏によるホラー小説のネタバレ感想。叙述トリックが仕掛けられた小説としても有名です。
グロはシ体損 壊描写のみで、ごう問やスプラッタ的な描写はないのでご安心を。
以下雑にネタバレしてますが、先に本を読むことをお勧めします!
犯人の蒲生稔は推定40歳。助教授の職に就いており、同い年の妻と大学生の息子、中学生の娘、実母と共に暮らしている。これがトリックの真相です。
こう書いてしまうとどのへんが叙述トリックなんだ?と思うところですが、最初から最後まで、読者は蒲生稔が大学生の息子だと思って読み進めるのです。
ラスト一行で蒲生稔とは父親のことだと気づかされる。
衝撃のアハ体験を受けること間違いなしの小説なのです。
稔はいわゆるマザコンだった影響もあり、実母に似た女性を4人ほどサツ害する。物語の終盤では実の息子と最愛の母まで手にかけます。実の息子以外の頃し方はいずれも、挿入後の絞サツからのシ姦。実母も絞サツ&シ 姦します。
死後の遺 体の取り扱い方で歴代サツ人鬼の変人レベルが伺えますが、この人の場合は膣壁が擦り切れるまでのし 姦(それをビデオ撮影)後、乳房や子宮など女性的部位をお持ち帰り→各部位が腐るまで家で自 慰に使用
ですからね。
狂人レベルマックスです。世界の狂人図鑑にAO面接で入れるレベル。
さらに蒲生は犯行時必ず、岡本孝子の夢をあきらめないで を聞きながらの絞サツ→し 姦に及ぶ。岡本孝子側から訴えられてもおかしくない。
ここまで蒲生稔の凄惨な行為を書いといてなんですが、この小説はグロ初心者でも大丈夫です。
微に入り細にわたるシ体損 壊描写はありますが、生身の人間をごう 問するだとか、生きたまま解剖するなどの「うわあああぁぁアイタタタタ」みたいな文章はありません。
小説や映画において人体を破 壊する描写がある場合、その人間がすでにし んでいるか、もしくはまだ生きており意識があるかでは、想像する側に求められるグロ耐性に違いがあると私は思う。
そういう意味でこの小説は、読破できるタイプのグロで留まっています。
あと個人的に「稔すげえ」ってなるのが、甘いマスクと物腰柔らかな雰囲気で殺害対象の女性と和かんに持っていくところでしょうか。
インテリかつサツ人に何かしらのポリシーを持っているところなんて「ミルウォーキーのさつ人鬼」ことジェフリー・ダーマーを彷彿とさせます。
ダーマーの理想の恋人とは、「すっかりおとなしくなって、もう二度と自分のそばを離れていかない存在」だった。
(ジェフリー・ダーマーとは NAVERまとめ)
これに通ずるものが蒲生稔にも垣間見える。「いい女はシんだ女だけ」というフレーズを思い出してクスクス笑う変態です。
絞サツ後、だらりと垂れた女性の舌が「?」のマークを作って、稔のさつ 人行為に全力で疑問を投げかけている、みたいなちょっと面白い文章があるんですが
この必死の訴えに対して稔は「愛してるから」コロ すのだと笑顔で答える。
物語は稔、刑事、そして稔の妻、この三人の視点から進んでいきます。「殺 戮にいたる病」に冒された稔の行動を、事件の真相とともに目撃してください。
▼読みやすい文章なのでグロ描写もそんなにきつくなく、さらっと読めます。
▼9人の作家によるホラー短編集。我孫子武丸氏の「猫恐怖症」はさらっと読める微グロでオススメ。個人的には草薙渉氏「白グラムのステーキほどの頬肉」が好みのカオス具合です。
▼未読ですが、読んでみたい一冊。
▼我孫子武丸と言えば"かまいたちの夜"。ゲームしか知りませんでしたが文庫も出てるんだね。