小野不由美氏著書のホラー小説【残穢】の雑なネタバレ感想です。
ネタバレを読む前に本を読んでね!
本作の怖さはずばり”伝染する怪異”です。この話を聞いた人は霊障が起こるかも・・みたいなね。でもたぶん実話風のフィクションなので何も起きないと思います。
①ホラー作家が読者から手紙を受け取る。彼女が最近引っ越してきた部屋で、たびたびほうきで畳を掃くような音が聞こえるという。
②ほうきで畳を掃く音は、その昔、この土地で首をつって死んだ中年女性の霊によるものだった。その女性はたくさんの赤子の霊に悩まされた挙句、ノイローゼになり自殺した。
③ さらに昔、同じ土地で嬰児を大量に殺害してその土地に埋めた女がいた。赤子たちの霊の因果はそこから発生しているようだ。
④さらにさらに昔、同じ土地で十代の少年が座敷牢に入れられていた。原因は精神疾患による家族への暴力と放火。この少年が床を這いずりながら呪いの言葉を絶えず呟いていた。
この呪いの言葉を聞いたものは、暴力的になり誰かを殺したくなるらしい。嬰児殺しはここに起因しているのか。
⑤この少年の家には、あるいわく付きの木材が使用されていた。福岡の有名な心霊スポットの豪邸の木材らしい。その豪邸に住んでいた家族は、全員不幸な死を遂げている。
⑥その豪邸の庭に井戸があり、その穴が地獄につながっていた。【完】
なんだろう、全ての原因は地獄ってことなのだろうか。その地獄の障気にあてられた人間が、更なる悲劇と怪異を生み出すお話だと思います。
【!注意!】
前半は作者があまり乗り気じゃないです。
読者の方が付近の住民から霊的な証言を集めてくるんですけど、ことごとく作者が「気のせいだよ」みたいな感じで否定していく。
後半から徐々にエンジンがかかってきます。最終的に作者とホラー作家の平山夢明さん、他数名が心霊スポットに突撃して地獄に通じるっぽい井戸を発見して終了です。
この小説の怖ポイントは感染する怪異だと思うんですけど、そこを差し引いても
「首を吊った女の霊」とか「殺された赤子の霊」、「炭鉱で無くなった鉱山夫のもがき苦しむ霊」など、そう言う類の霊で怖がる感覚は昭和で終了している感があります。
個人的には半グレのほうが怖いです。(霊と人間では比較対象がおかしい気もしますが)
▼【読んでも霊障とかは何も起きないのでたぶん大丈夫です。】
▼こちらは映画版です。
▼関係ないけどこの”地獄に繋がる井戸”と言うフレーズは【ホラー漫画【夢の中の黒い門】を彷彿させます。こちらは地獄の門に繋がる夢が出てきます。前編と後編を載せておきますね。】