ミッドサマー 2019年/ アメリカ/ スウェーデン映画(147分)
監督・脚本:アリ・アスター
制作:ラース・クヌーセン/ パトリック・アンデション
出演者:フローレンス・ピュー/ ジャック・レイナー/ ウィリアム・ジャクソン・ハーパー/ ヴィルヘルム・ブロングレン
音楽:ボビー・クーリック
老齢のビョルン・アンドレセンが見たくて鑑賞しました。結果的にビョルンは出てきましたが・・かなり悲惨な最期で見るのが辛かったよぉぉぉーい
【▼以下は映画の雑なネタバレと感想です。先に映画を観てから読んでね!】
主人公は女子大生のダニー。冒頭でダニーの妹と両親がガス心中します。
いきなりヘビーな展開ですが、ダニーの彼氏・クリスチャンが心の支えになり、ダニーは絶望の淵からなんとか回復。
クリスチャンの友人・マークが、「はやくダニーと別れろよ」とか「そのへんのウェイトレスを孕ませろ」とか言うのでキモイ。この死亡フラグが立ちまくっている友人は物語中盤で死亡します( ;∀;)ヤッパリ
(しかも顔面の皮を剥がされてサイコな装飾をほどこされる)
ダニーはクリスチャンとその友人3人(マーク、ペレ、ジョッシュ)とともに、スウェーデンの夏至祭に参加することに。クリスチャンの友人、ペレの故郷なんだとか。
実はこのペレがサイコ村の手先で、若い男女を都会から連れてくるのが目的でした。
物語に関係ないんですけど、出演者達が全体的にありのままというか、全然絞ってない体型でオフ感あります。
スウェーデンの村、ヘルシングランドにたどり着いた一行。今会ったばかりなのに普通に麻薬を勧めてくるペレの旧友たち。「よかったらマッシュルームティーもあるよ」とか言われる。だからいらん言うてるやろぉ。
金髪碧眼率高い村なのでどこのアーミッシュかと思う。
さらに村のおじさんが急に「巨人ユミルを称える」とか言いだすから本当にどこの進撃なのよ?ってなります。
村の中を散歩していると、四コマまんがふうの創作物を見つけるダニー。ちょっとヘンリー・ダーガー氏の作風に似ている。この創作物は、のちに起こるクリスチャンの受難(自分の飲食物だけに異物を混入させられる)を表しています。
【▼なぜかヘンリー・ダーガー氏(精神病の画家)の作風を思い出しました。】
それでまぁ、夏至祭りのイベントがあるってことで見に行くダニーたち。イベントでは最年長の老人二名が崖からダイブします。どんなイベントやねん。
72歳になったら崖ダイブで命を終了せなあかんらしい(笑)←笑ってる場合じゃない。
最初にダイブしたおばあさんは即死。飛び降りで顔面着地の場合こんななるよって絵面があるので注意です。
ビョルンはダイブしたものの即死に失敗。足着地だったのでかなり痛いことになりますが、間髪入れず村人が頭を槌(?)的なもので粉砕します。
当然パニック状態におちいるダニー他、都会からやってきたゲストたち。
しかし村人に「これは大いなる死よ」とか言って説得される。
説得されている間にぐちゃぐちゃになった遺体がグリルみたいなので焼かれ出すのできっつい。こんなに絵面がキツいホラー映画は久しぶりです。
そのあとゲストたちが次々に姿を消します。ゲストの一人、サイモンが消えたあと肉のタルトを作る村の女性たち。超絶不穏なシーン。
引き続きサイモンの彼女・コニーもいなくなる。肉のタルトから陰毛があぁああオェ
これはコロされたコニーの陰毛ではなく、クリスチャンを密かに想う村の女性の陰毛です。
恋のおまじない的なものとして、クリスチャンのタルトだけに自分の陰毛を混入させたのでした ☆*.・(*ゝ∀・*)ノ
そしてコイツはたぶんクリスチャンの飲みものにも自分の経血入れてます。
▼クリスチャンの飲み物だけ色が濃い・・ような・・?(左から3番目)
映画のあらすじには関係ないけど、これ系の卑劣行為は本当に気持ち悪いよね。
- 好きな人のリコーダーをこっそり吹くとか
- 職場の女子の飲みものに精液混ぜるとか
- バレンタインの手作りチョコに経血まぜるとか
自分的には完全に犯罪行為です。
恐るべしアリ・アスター監督のシナリオ。鑑賞者に猛烈な嫌悪感を植え付けます。
夏至祭も中盤になってくると、どんどんゲストたちが生贄用にサツ害されていきます。サツ害方法が槌による一撃とか皮剥ぎ、気管露出とかバラエティに飛んでいる。
そして事件が起こることと並行して、クリスチャンが地味にクソ野郎の本性を出してしきます。
一見人当たり良さそうだけど自分の利益しか考えていない男という印象です。
村のダンスイベントに参加したダニーは、優勝してメイクイーンになります。
メイクイーンになると人身御供の犠牲者を選べるんだってね。ダニーが選んだのは彼氏のクリスチャン!!
ダニーは、クリスチャンが村の女性の誘いを断ることができず、性行為に及んだ場面を目撃していたのでした。
個人の性的嗜好によりますが、私的に寝取られは精神がやられる。しかも村ぐるみで寝取らせようとしてくるから怖い。
さらにクリスチャンと村の女性の性行為のシーンがガチっぽくて吐きそうになります。
人が死ぬシーンもそうですがえげつないというかグロテスクな映画です。
男女ともにマッパ率も高め。
生贄に使われる遺体が総じて奇怪なデコレーションをほどこされているのも気持ち悪い。
さて、ダニーによって生贄に選ばれたクリスチャンは最終的に中身を抜いたクマに入れられ、リアル着ぐるみ状態で火炙りになります。
ラストシーン。生贄小屋に火がつけられ、みるみる炎に包まれていきます。
ここで村人一同大爆笑からのコンテンポラリーダンス披露が意味不明すぎて狂気。
主人公は満面の笑みで暗転。
これは完全にメリーバッドエンドだと思います。
余談ですが、劇中でペレが「僕の両親は炎に包まれて死んだ、でも喪失感や悲しみはなかった。」みたいなことを聞いてもいないのに喋るんだよね。
今思えばペレ両親の死因はこの生贄古屋丸焼きなんじゃないか。
この映画は胸糞で救いがないうえ、カルト村内で事件が完結してしまっているのでもう一度見る気力はないです。
遺体の装飾の気味悪さとか、カルト教団の盲信的な狂気がヘレディタリーぽいと思ったら同じ監督なんだね。
この方が描く静かな狂気集団は本当に怖い。
▼本当に気持ち悪いし胸糞悪いしいろんな意味で怖い映画。お時間がある方はぜひ。
▼超絶不気味映画・ヘレディタリー。わたしの感想はこちら。
▼癖になる作風の作家さんです。よく見ると色々と怖いんですけど、オススメ。
【▼クリスマスプレゼントにいかがですか(なお同じデザインのポスターもある模様)。】