2015年/ 94分/ アメリカ映画
監督・脚本:M・ナイト・シャマラン
制作:M・ナイト・シャマラン/ ジェイソン・ブラム/ マーク・ビエンストック
音楽:スーザン・ジェイコブス
出演者:オリビア・デヨング/ エド・オクセンボールド/ キャスリン・ハーン/ ディアナ・デュナガン/ ピーター・マクロビー
【▼あらすじ】
絶縁状態だった母と祖父母が和解し、初めて祖父母宅を訪ねることになったベッカとタイラー姉弟。当初は祖父母と楽しいバカンスを過ごしていたふたりだったが、次第に祖父母の異様な言動が目立ち始めて・・。
映画の終盤で母が姉弟に告げた衝撃の事実は、あなたの背筋を凍らせる。
【▼予告編です】
本作の魅力はなんと言っても、終盤に母親が放つある言葉*1で鑑賞者が最大にゾクッとさせられるシーンです。
そのための伏線があちこちに仕掛けられているので、カラクリがわかってから再鑑賞するとさらに楽しめます。
未鑑賞の方はネタバレを読む前に映画を見てね!
それから手ブレと大便ネタがかなりの割合を占めているので、センシブルな方は気をつけてください。
【▼以下は雑なネタバレです】
本作は精神障害者のお年寄りカップルが収容先の精神病院を抜け出し、別人のお年寄り夫婦に成りすます話です。しかし主人公のベッカとタイラー、そして視聴者は物語の終盤まで、祖父母が偽物であるとはつゆほども思いません。
最初こそニセ祖父母は普通にしているので、ただのハートフルな孫と祖父母の交流に見えるのですが、徐々に怖ポイントが積み重なってきて物語に暗雲が立ち込めます。
【↓ニセおばあちゃんの怖ポイント】
ー 夜の11時ぐらいに全裸で徘徊し壁を引っ掻く。
ー グアグア言いながら吐瀉物を放出。普段はお菓子作りが上手で上品なおばあちゃんがこんななってるとスゴイ嫌悪感でるよね。
ー 姉弟で隠れんぼしてると、突如乱入してくるおばあちゃん。地味に怖いしお尻丸出しなのでまたもや嫌悪感。
ー お尻見えてるのに「ポットパイを作るわ!」と言って颯爽と去っていく。いや、まずシリをしまってくれ。
ー やたらとベッカに「オーブンの中に入って掃除しろ」と言う。
ー 時折笑わせにきているとしか思えないオサレな髪型をする↓。
【▼なんなんだこの髪型は・・。】
【↓ニセおじいちゃんの怖ポイント】
ー 庭の古屋に自分の大量の使用済みオムツを隠す。ハエ湧くから隠すなやぁ。
ー おじいちゃんが道行く人に急に襲いかかる。尾行するのはやめろとか言いつつ(笑)←笑ってる場合じゃない
ー 地下室に行っちゃだめだぞ、かびてるから(本物の祖父母の遺体を雑に遺棄)
ー 顔面に糞つきおむつをパイ投げのごとくドカンしてくる。
だんだんとおかしい雰囲気に気づいたベッカとタイラーは、祖父母の異常な行動をテレビ電話で母に報告します。しかし旅行中の母親は「年寄りはそんなものよ」と言って取り合ってくれない。
序盤は夜中に徘徊するとか、オムツを隠すとかですからね。
本作の怖いところはここです。精神異常の(ちょっと認知症も入ってる)老人の行動が、悪意からくるものなのか、老齢からくるものなのか判断がつかない。
そして最終的にテレビ電話で祖父母の姿を見た母親が、「あの人たちとずっと一緒にいたの?あれはあなたたちのおじいちゃんとおばあちゃんじゃない」
って言うんですよ。
ゾ〜っとしますよね。
ニセ祖母は若いとき自分の子どもを池に沈めて殺害したらしいのですが、ニセ祖父が「彼女は孫をもつ資格がある(キリッ)」とかのたまう。いやないだろ。
その後精神病院のスタッフがニセ祖父母によって庭の木に吊るされ、孫たちは脱出を試みるも失敗。
そうこうしているうちに、ニセ祖父が静かに大便を漏らします。
ラストは顔面にニセ祖父の糞を塗りたくられた弟くんが覚醒して「オラああああア!?」とニセ祖父を倒し、姉も救助されます。
しかしニセ祖父が「みんなで死のう」とかのたまうから視聴者はひとりでしねやぁ!!!(怒)って気分になります。
冷静に考えてみると、祖父母の異常行動って言っても
祖母嘔吐→祖母尻チラ→祖父う○こ付きおむつ(しかも下痢的な、あほあほマン的なテスクチャー)なので認知症の一例と思えば特に怖くないんですけど、映画を観ているときはめっちゃ怖いんですよ。
【▼テスクチャーを知って欲しいのであほあほマンを載せておきますね。】
物語の全貌がわかったところで思い返してみると、確かに違和感あるシーンだらけなのです。
例えばおばあちゃんが高そうなティーカップを灰皿がわりにしてふっつーに室内でタバコ吸ってるんですけど、後々考えるとあ、人んちだからかって納得します。
こういった変な大胆さと言うか図々しさに視聴者が違和感をいだくような脚本を書くM.ナイトシャマラン監督はやっぱ天才です。
あと、個人的に戦々恐々としたシーンはおじいちゃんが台所でオムツを脱ぎ始めたところ。
「うわあ!弟くんが最悪のパターンで凌辱され死に至る!」と思ったけど大丈夫だった。
大便つきオムツを顔に塗りたくられるだけです。
その程度で済んでよかったと安堵したホラー小説マニアは私だけではないはず。
雑にまとめにはいります。
信じられないかもしれませんが最後は感動してちょっと涙でます。ホラーとギャグと感動が神配合でハイブリッドされている映画でした。
【▼手ブレと老人のおむつにセンシティブでない方はぜひ!】
【▼我が子が赤ちゃんの時はパンパース派でした。】
*1:赤の他人が祖父母になりすましていることを知ってオーマイガー言います。