1973年/ 日本
脚本:福田善之
製作:虫プロダクション
声の出演者:長山藍子/ 仲代達矢/ 中山千夏/ 高橋昌也/ 米倉斉加年
音楽:佐藤允彦
【あらすじ(wikiにほとんどというか全部書いてあります。)】
教会と領主が支配する中世フランスのある村。若く美しい娘のジャンヌは、夫・ジャンとの結婚で領主に十分な貢ぎ物を捧げられなかったため、領主や兵に陵辱される。身も心も傷ついたジャンヌは悪魔と契約を交わすが・・。
虫プロダクションが放つ三部作「アニメラマ」シリーズ三作目にして、強烈な暴力と性が交錯する問題作。
【↓予告編です。王妃から放たれるレ○プ開始のセリフもバッチリ入ってるよ!】
【以下雑なネタバレと感想です。映画を観てから記事を読むのをお勧めするよ!】
先に書いときますが
過激な性描写が多い映画ですが、アートっぽいので全然エロくないです。
ベラドンナ〜・・・はぁ♪
ベラドンナ〜・・ふぅ♪
やたら色っぽい吐息をフウハアさせているオープニング「哀しみのベラドンナ」。
ベラドンナとは薬草の名前です。
私は映画始まって1時間ぐらいまで主人公の名前だと思ってました。
主人公はジャンヌです。しかも最初からちゃんと名前言うてはるからね。
でジャンヌの旦那がジャンです(ややこしい)。
結婚した二人は、お城の領主に貢ぎ物が少ないことを責められます。雌牛を十頭用意するよう無理な要求をされた挙句、ジャンヌは処 女を領主に奪われ,兵たちにりん 姦される。
身も心もボロボロになったジャンヌは、ジャンの待つ家に帰ります。
ジャンはそんな妻を見て首をしめようとする。
Eeeeeee!?何してんの!?
すんでのところで我に返ったものの、二人の心は遠く離れてしまうのです。
映画開始10分ぐらいでこんな調子です。
全編1時間半あるのが怖い。
傷心のジャンヌのもとにどう見てもチ○コの形をした悪魔が言い寄ってきます。悪魔が力を与えたとたん、生きる力が湧いてきたジャンヌ。糸を紡いで織物を作り、それが街でまさかのバカ売れに。
夫のジャンは妻の稼いだ金で飲み歩いているにもかかわらず、領主から "税の取り立て役" という地位を与えられます。赤い変な帽子を与えられて得意げなジャン。
というかこの領主に妻をごう 姦されたこと忘れてないか?
しかしそんな日々もつかの間。
戦争の影が忍び寄るに連れて、税の徴収がうまくいかなくなってくる。村民からの税金が少ないという理由でジャンは領主に左手首を切られます。
レ○プといいこの領主酷すぎる。
さらに領主は村の男たちとともに出兵します。
その間、金貸しになったジャンヌは確実に富を築き、いつしか村の女たちから絶大な支持を得るようになっていました。
なぜか緑のマントの中は全裸というスタイル。しかもハイヒールは紐をこう、ふくらはぎにぐるぐる巻くタイプのやつですからね。
【↑こういうタイプのハイヒールです。無駄にセクシーな金貸し。】
そんな感じのジャンヌのファッションとか、いろんなものに嫉妬した王妃は、出兵していた領主が帰ってくるやジャンヌを悪魔憑きとして兵にボコらせます。すいません、ボコらせる以外の表現が見つからない。
その間夫のジャンは家の鍵を閉めてジャンヌを見捨てるからね。本当に最悪だこの男。
またもボロボロになったジャンヌは森に逃走、洞窟の中で悲しみに暮れているとあのチ○コ型の悪魔が現れます。
巨大化した悪魔は魂の契約をすればジャンヌの願いを叶えると言う。
村や夫に絶望したジャンヌは契約し、魔女に姿を変えるのです。
【↑魔女の姿になったジャンヌ。頭のかぶりもののセンスよ。】
その後村ではペスト(黒死病)が大流行。
魔女になったジャンヌの力か!?と思いましたが、普通に伝染病でした(ズコー)。
魔女ジャンヌは相変わらず優しく、ペストにかかった人を治してあげたり、思い悩んでいる人に毒草「ベラドンナ」を与えて悩みを昇華してあげます。
ここでドラッグでハイになった人が見る幻想みたいな画面が割と長時間挿入される。問題のゆるいサバトシーンもあります。
光過敏性発作に注意!
城の小姓がベラドンナを使って王妃と関係を持ったことから、領主の怒りに火がつきます。 領主はジャンを森へ遣わしジャンヌを連れてくるよう言い渡します。
ジャン:「領主様がジャンヌの力を必要としているんだよ!薬草の知識を領主に譲れば、僕らに領地をくれるってさ!」
ジャンヌ:「あなたはそんなことを信じてるのね・・」
ジャン:「お願いだよジャンヌ!僕が殺されちゃうよおおぉ」
もうこんな夫森に捨てていけよと思うんですが、ジャンヌは城に参上します。
領主から "薬草の知識を我らに譲れば貴族の位を与えよう" と言われますが、そんなものではなく世界が欲しいとキッパリ言うジャンヌ。
それが領主の逆鱗に触れ、火あぶりの刑に処されることになります。
まあジャンヌは悪魔と契約してるから大丈夫だよね!と思ってたんですが普通に火あぶりになりました。
全然復讐カタルシスが無い〜
そこで突如、夫のジャンが火のついた槙を領主に投げますが届かず、瞬サツされます。
ジャンの死を見たジャンヌも、涙ながらに火あぶりで燃え散ります。魔女になってもなお、ジャンヌの心はジャンへの愛でいっぱいだったんですね。
で、その心が村の女たちに次々と伝染していきます。
文字通り村の女たちの顔がジャンヌ化していく。
そしてでかい字幕で
「時は過ぎ・・。」
「ジャンヌの意思を受け継いだ女たち。バスティーユ牢獄襲撃では女たちが活躍し、フランス革命でも女たちが戦った。」
完
でした。
ここにフランス革命繋げてくる?と思いましたが、まあこんな感じのラストでした。
【↑ジャンヌにいいことがなさすぎて可哀想になってくる。】
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【↑他2作品はいつもの手塚治虫の絵です。ベラドンナだけ水彩画っぽい。】