こんにちは。フランスで生活しているミロです。
突然ですが私は
ホラー漫画、ホラー小説、ホラー映画などホラーと名の付くものによく惹かれます。
ビビリなのに怖いものが気になるんです。
以前書いた記事では私が個人的におすすめする【怖〜いマンガ7選】をご紹介しました。
▼個人的に怖かった漫画ランキング。
世の中には私のように、
「絶対後悔するのに怖い話が読みたい!」
「自分が心霊スポットに突撃するのは嫌だけどユーチューバーが突撃するのは観てみたい!」
という方がいますよね?
日常に気のせい程度のスリルが欲しいみたいなね。
ということで今回は、※怖そうだけど実際読むとあまり怖くなかったホラー小説をご紹介します。
※私的”あまり怖くない”の目安は、読後に風呂でシャンプー可、夜中のトイレ可です。
【目次】
- 第9位 死体展覧会(エクス・リブリス)/ハサン・ブラーシム著
- 第8位 独白するユニバーサル横メルカトル/平山夢明・著
- 第7位 ダイナー/平山夢明・著
- 第6位 オーディション/村上龍・著
- 第5位 天使の囀り/貴志祐介・著
- 第4位 鼻/曽根圭介・著
- 第3位 私の骨/高橋克彦・著
- 第2位 どこの家にも怖いものはいる/三津田信三・著
- 第1位 ぼぎわんが、来る。/澤村伊智・著
第9位 死体展覧会(エクス・リブリス)/ハサン・ブラーシム著
バグダット出身のイラク人作家が紡ぐ14の恐怖短編集。
日常にある暴力と理不尽を当然あるものとして諦め、受け入れ、共存さえしようとする著者の背景が如実に現れた本書からは、乾いた空気の中に血生臭さが漂う。
表題作の「死体展覧会」。死体をより芸術的に、より多くの人の目に晒すことが目的のある団体に入った男。教育係的立場の男が話し出す。彼の長い話に耳を傾けているうちに、底知れぬ恐怖と理由なき暴力に囚われていきます。
なんとなくこの「ある組織」がジャックポット教を思わせるのが救いです。レモンライスにガムライスと唱えると見逃してもらえそう。
心霊的怖さではなく理不尽な暴力に対する怖さなので、ホラー小説というジャンルではないかも。
▼日本に生まれたことを感謝すること間違いなしの小説。
▼星新一の文庫本だけで本棚埋まる自信あるぜ・・。
第8位 独白するユニバーサル横メルカトル/平山夢明・著
平山夢明氏が送る、日常に潜む地味サツ人鬼の動向を道路地図帖の目線で描いたSFホラーファンタジー。
道路地図帖の主人であるタクシー運転手が淡々と連続サツ人を行なっていく様を描く。タクシー運転手の死後、連続サツ人を受け継いだ彼の息子。しかし道路地図帖が前主人に見出した”サツ人の美学”をことごとく破壊する彼は、あまつさえそこに快楽を求めていき・・。
道路地図帖とメモ用紙(?)が恋愛関係になるあたりで読むのをやめようと思いましたが我慢。他の収録作品も面白いです。
「オメガの晩餐」は綺麗にまとまったカニバリズム。
「無垢の祈り」は映画化しましたが、児童虐待がテーマなので精神的にきついです。
「怪物のような顔の女と溶けた時計のような頭の男」ではなかなかきついグロ描写が続きますが、自分は友成純一氏の「獣儀式」を読んだ後だったので耐性がついたのか大丈夫でした。
▼ラノベっぽいノリで話が進むのでスイスイ読めるよ!
▼変態グロ小説を書かせると右に出る者無し、友成純一氏渾身の一作。
第7位 ダイナー/平山夢明・著
こちらも平山夢明氏著書のホラー・スプラッター小説。2019年に藤原竜也さん主演で映画化したことでも話題になりましたね。
コロし屋専門の定食屋・ダイナーでウエイトレスとして働くことになった女性・オオバカナコ。元コロし屋のダイナー 店主・ボンベロをはじめ、スフレ大好き好青年のコロし屋・スキン、見た目は子ども・中身は児童連続サツ人鬼のおっさん・キッド、日本人設定では無理がある女コロし屋・炎眉など、青年まんがの原作かと見紛う設定特盛りの濃いメンバーたちが勢揃いしてワイワイするお話です。
カテゴリー的にホラーなのかは微妙ですが、一応ランクイン。
▼微グロはありますが怖くはないです。
▼漫画化してるんだね。
▼ 映画版はこちら。玉城ティナさん演じるオオバカナコのウエイトレス姿が可愛い。
第6位 オーディション/村上龍・著
映画の方が原作より怖いという稀有な例。原作はなんかこう・・スピード感が無く、間延びしている印象でした。
主人公のおっさんが地雷女にはめられて、足を切断されたりしちゃいます。でもその前におっさんがちゃっかり地雷女をハメてるという(下品)。
後半からいきなり官能小説になってしまう残念。なんなら官能小説8割ゴア2割ぐらいの割合です。
村上春樹なら唐突のセッ◯ス描写も許容範囲内ですが、龍なんだよね。求めるホラーの期待値が上がってしまっていた。
▼不穏な空気を上手に回収できないまま終わってしまいます。
▼映画版は気をつけて!!引くぐらい怖いです。
第5位 天使の囀り/貴志祐介・著
すごい長いから集中力がなんども途切れて最後の方はぼんやり読み進める形となってしまった。この作家さんの「黒い家」がメチャクチャ怖かっただけに、期待しすぎた感もある。
▼ちなみに件の「黒い家」は映画化しています。伝説の大竹しのぶ「乳しゃぶれ」が観たい方はどうぞ。私の感想はこんな感じです。↓
「天使の囀り」は怖いんですけど、「黒い家」的な怖さを期待していたら怖い方向が違いました。無理やり見つけた怖ポイントは、ズバリ虫です。
▼虫系がダメな人は気持ち悪いかもしれません。頭の中にたくさんの小さい虫が侵入している描写があります。
第4位 鼻/曽根圭介・著
装丁の絵がアカギに見えてしょうがない。タイトルが『鼻』なのも狙っているのか。
ある狂人が妄想の中で人間を「テング」と「ブタ」の二種類に分類している。
なかなか斬新な分類だよね。妖怪と家畜て。
しかも「ブタ」に分類される人間が5人ぐらいしかいない。テングは残りの全人類です。圧倒的天狗数。
鼻がある人が「テング」で、鼻を削がれた人が「ブタ」なんだって。
しかも鼻を削がれた人っていうのが、この狂人がマッド手術で鼻を削いでしまった人たちなんだよね。っていう。
この狂人の世界で自己完結してます。
第3位 私の骨/高橋克彦・著
自分を生かすために、よそんちの子どもがコロされていた。自分が愛した人が裏では自分に呪いをかけていた。妻には「こいつはいつかやらかす」と思われており、むしろやらかす日を待ち望まれている。上記のことをラストページで一気に知る男の話です。
大事なことは全て秘密にして、家族ごっこを続けていた父母。長年自分を呪っていたという従兄弟。呪いの人形のことを話さなかった妻。全員がなんか気持ち悪い。
自分が全く知らないところで、自分を中心にしたエゴ、執着、憎悪が増幅され、ある日眼前に一気に現れる恐怖を描いています。
表題作に加え、微妙に薄ら寒い短編がいくつか入っています。しかしなんというか、各話印象に残らない。読んだ瞬間から忘れていきます。
なんども新鮮な気持ちで読めるという点ではお得な本です。
第2位 どこの家にも怖いものはいる/三津田信三・著
どこの家にも怖いものはいませんし、怖いものがいるのは主人公のお宅だけです。
天井からあずきを洗うような音が聞こえてくるってもう妖怪小豆洗いが住んでるとしか思えない。逆に小豆洗いが住んでいるとちょっと和む。
怪異の因果は顔に大きな傷がある、ちょっと知的に問題があって座敷牢に入れられていた女性にあるらしい。怖い・・か?
この”顔に大きな傷がある女=怖い”っていう謎の印象付けは、昭和の口裂け女あたりですでに終了している感がある。
第1位 ぼぎわんが、来る。/澤村伊智・著
栄えある「怖くないホラー小説」第1位はぼぎわん先生です!!
ぼぎわんというコミュ力高い平成の怪物が律儀に部屋を訪ねてきます。ラノベっぽい最強霊能者が物理的に戦うよ!
しかも狙われるのは風俗通いぶりっ子夫、妄想逆恨み童貞こじらせ男、虐待サツ人隠蔽暴力爺(何かの呪文かと思う)なのでむしろぼぎわんさんグッジョブ。
一番怖いのは、上記の男たちがリアルに存在しているであろうことです。
▼「ぼぎわんが、来る。」ネタバレありの感想はこちら。
▼最初こそ物語に不穏な空気が漂っているんですが、ラストはもうハチャメチャになります。
▼漫画版もあるってよ!
▼こちらは映画版です。小松菜奈さん演じる、ピンク髪の霊能者・マコトがいい感じに再現されています。