小説投稿サイト”カクヨム”で一躍ホラー小説家の仲間入りを果たした、背筋氏の短編ホラー小説、口に関するアンケートのネタバレと感想です。
▼背筋氏のホラー小説が無料で読めます。
この方の書くモキュメンタリーホラーは本当にリアルで、怖いでんす。
何か大きな心霊イベントが起こるとか、心霊バトルとかではないんですが、いつの間にか怪異に日常を侵食されている様子を描くのが抜群に上手い作家さんです。
▼以下は雑にネタバレしていますので、先に本作を読んでからネタバレを読んでくださいね。
ざっくり言うと、「呪いを作り出す」お話です。
口は災いの元という諺があるように、
人々の伝聞が、ありもしない呪いを生み出してしまった顛末が書かれています。
まず、モテる女の子が“人違いの呪い”にかかり、墓場で死亡します。
死の直前、彼女はまるで人が変わったようになります。蝉のように穴を掘り、木に登ろうとする。
生前の奇怪な行動は、実は彼氏が「他の男に呪いをかけよう」として墓場の木に念を託したことが原因でした。
しかし実際のところ、その木にはもともと呪いなんてありませんでした。
ただの木が”呪いの木”として噂が広まった挙句、本物の呪いを生み出してしまったのです。そして、その呪いは一人の女性を犠牲にした後、瞬く間に広がっていき・・。
お話は、6人の若者が「自分たちのせいで女性が死んだ」と告白する形で進みます。
そして終盤、各々のセリフの文章が赤くなっていく。
なぜかと思ったら、どうやら彼らが次々に首を吊っている描写らしい。
確かに文字が赤いグラデーションになってるなと思っていたのですが、死に近づくほど赤い色が増していきます。かなり怖い演出です。
何のいわくもなかった場所に人々が実験的に呪いを作り出した。その結果、1人の女性を死なせて、それに関わった6人の若者も次々に命を落とすことになる。
こうして呪いは作られ、伝播していく・・。
私はkindleで読んだのですが、紙の本で読んだ人のレビューを見ると、めちゃくちゃ小さくて薄い冊子らしいです。
短編集の一部として収録されていた方がコスパは良さそう。
▼kindleバージョン。サラッと読みやすい文体で話が進むので、ラストページまで一気に読み進められます。
▼こちらは背筋氏の長編ホラー小説。カクヨムでも途中まで読めます。
▼カクヨム出身の作家さんと言えば、こちらの方も。私の感想はこんな感じ。